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川井 悠司

人は人と関わることで成長していく

どこへ行っても言われることはいつも同じ「介護は人いないんでしょう?大変ですね〜」。私もいつだって同じ答え「そうですね…大変です…」。

介護職となり約20年近くが経とうとしております。ここ4〜5年、確かに介護職は人材難です。国も何とかして2025年の高齢化のピークを超えられるよう、介護職員への雇用を促進するような施策を打ち立てております。

何のために、誰のために「介護」の仕事をしていますか?答えは自分のためです。最近はそう考えるようにしています。単純に30年後、私の受ける介護サービスが素晴らしいものであってほしいからです。誤解してほしくはないのですが、相手のことを考えていないわけではありません。考え方としては「誰かのために」だけが目的に働くだけではなく、自分に正直に言えば「自分も相手も大切」ということです。そのバランスを考えながら「介護」という職のことを日々考えております。

仕事ということで考えると、ご利用者はお客様であり絶対な存在ではあります。どこかのファミリーレストランで例えるとお金を支払っていることもあり、店員さんは絶対に我々お客様へ対して言葉遣い、態度は下から見上げるよう対応をしてくださいます。これはごくごく当たり前のことでありますが、これを「介護」という現場で考えるとどうでしょう?言葉遣い、態度…目上の人、人生の大先輩へ対して違和感を感じることが度々見受けられます。同じサービス業として何が違うのか?介護の現場が全てファミリーレストランのような対応をしていたら…私は何となく嫌です。決してファミリーレストランの対応が嫌ではなく、求めていることが違うのです。介護は「人が人を支える」という仕事です。あのメニューが食べたいからというデマンド(望み)がファミリーレストランにあるならば、介護事業所に求められることは「あの人に会いたい」「あの人と話したい」それは働く職員、そこに通う、住まれているご利用者なのかもしれません。

要介護者の方は誰かの助けが必要です。そこに我々介護職が助ける側にいるのですが、そう考えると介護する側が介護される側の一方通行な支援。でも…本当は我々がご利用者に支えられていることも多々あります。私も振り返ると、そこに仲間が、ご利用者がいたから続けてくることができました。そう考えると「介護」は「人が人を支える」ではなく「人々が支え合う」仕事なのかもしれません。

我が湘南乃えんグループは「人々が支え合う」仕事の意味を突き詰められる職場です。まずはご利用者が第一優先ではありますが、そのご利用者を支える職員さんや地域の方も皆幸せになれるような事業所を目指していきたいと思います。人は人でしか磨かれない、人は人と関わることで成長していきます。いつの日か「大変な仕事」ではなく、人々を幸せにできる「就きたい仕事」となるように…