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篠田 智子

当たり前と感じていたこと、
そうではないと気付く喜び。

私は、知的障害児者への訓練を職業として17年行いました。その後、義父の介護がきっかけで、特別養護老人ホームに勤めましたが、そこではお一人お一人に関わる時間が限られており、流れ作業のような仕事に疑問を感じ、小規模多機能型居宅介護サービスへ移りました。

発達を支援する仕事から、人生最後(期)の部分に関わることが自分には出来るかどうか不安でしたが、湘南ケアホームえんでは、ご利用者と密に関わることが出来、やりがいのある毎日です。

主任になったきっかけは、当時の管理者との介護方針が異なり、辞職するか、今以上に良い介護が出来る職場を目指すか考えましたが、正直なところ管理者が変更になったこともあり、スタッフとともにより良い職場を作っていこうと決意し、主任となりました。

やりがいのある毎日ですが、在宅生活を続けていくにあたり、ご利用者・ご家族とともに何をどう支援していけばよいのか、生き生きとした毎日を送るために、一緒に出来ることは何なのかを考え、悩むことも多い仕事です。

不正解は尊厳を冒すこと。正解は何なのか考え込みますが、一人で仕事をするのではなく、ホーム長・ケアマネジャー・介護スタッフとともに、意見を出し合い一歩一歩ではありますが、より良いケアを目指している毎日です。

当たり前と捉えていたことが、そうではないと感じるとき。例えば理解の仕方が変わって、お箸をカバンにしまうことが繰り返される方が、ある日、お箸を手渡してくださった時に感じる喜び。その行為がスタッフの喜びとなります。私がお箸を手渡しても、人を喜ばすことは出来ません。その力を沢山持っておられると常に感じています。

今まで出来ていたことが変化していくのかもしれませんが、言葉や言動、表情の一つ一つを丁寧に受け止め、つないでいけたらと思っています。